2012年6月30日土曜日

多重打ちの解決方法

運輸の小企業むけのシステムとはどんなシステムか。

 オフィス関連のソフトは個人企業には問題がないが、中小企業向けになるとどのようなことが起こるかというと、件数が多くなるだけで、大変な効率ダウンが起こってしまうことがあるため、かえってコストアップにつながる可能性があるということを説明してきました。


 また受注システム、経理システム、管理システムこれらがそれぞれ別々のソフトであると、さらに、これらに同じような項目を入れていかねばなりません。これは結構手間仕事です。毎月発生するものもあります。

特に小口配送を行うような企業ですと件数は多いため、その入力した内容を配車のため、経理のため、管理のためのそれぞれのエクセルシートに分けてあったり、システムが違うため多重に同じ項目を打たねばなりません。

この作業は手打ちで行うわけですから、誤りは多重になることがあります。

また同じ項目を打ち続けることは人間にとって過酷です。プログラムを作った事のある人やシステムエンジニアは当然のことですが、こういう多数回の仕事を行うことは、非常に効率が悪いことを基本的に知っています。

ですから、そういう作業があるかどうかをまずチェックしますが、運輸をはじめとして、他の業種の方やPCを知らない方々が陥る以下のような固定概念があります。

●作業者の考え方

・PCと言うのは難しいもの。
・自分の操作が悪いから効率があがらない。
仕事というのはそもそも手間なわけだから、面倒な入力も仕事のうち。

さらに
●経営、管理の考え方

・作業者の知識が無いから、仕事が遅い。
・せっかくソフトいれてるのに作業者の意欲がたらないから、効果がでない。
・ソフトウエアは高価で、あまり結果がでない。


このように考えて効率化に対して考えが巡りません。この考え方は全て間違いです。

コンピューターを入れることにより、人は判断するだけの作業に徹するべきであり、繰り返しを行わなければならない作業や、面倒になる作業はすべて、PCに入れたソフトウエアで解決すべきなのです。


●解決策
  決定的な解決策としては、多重打ちをやめてしまうことにあります。それは専用の入力ソフト入れることで解決します。これは専用ソフトを導入し、本格的データベースを導入することによりこれらの問題から解放されます。

ところが、専用ソフトも良いことばかりではないのです。専用ソフトというと大手電機メーカーはSEを送り込みその運輸会社に完全に適合したシステムを手作りで作り上げ、さらにそのメーカーの持つ最高のサーバ機種と組み合わせ、システムを構築します。当然のことながら独自業務にあわせた最適化されたシステムはできあがります。

でも、それって・・・・・

そうなんです、非常に高価ですメーカーの一流システムエンジニアに調査を依頼しただけで、たぶん数百万円の費用がかかります。これは調査だけです。

その時点で運が良ければ全体の費用がわかります。 多分、一から十まで隅々まで行き届いたシステムを作り上げれば、ピンキリですが、数千万円の費用はくだらないでしょう。

エクセルでだめな場合の次のステップはすばらしい効率化が望めるのですが、その費用は非常に高価です。


●弊社の運輸システム

弊社では、この、カスタムメイドの良さを取り入れた上に、大手電機メーカーの持つ品質も兼ね備えたシステムを作成することができます。

これは次のような工夫をすることにより、弊社内部で、コアになる部分を作成し、お客様にあわせたカスタマイズを実施するため、見た目も、内部もメーカー製の専用ソフトに匹敵する性能を出すことができます。


・汎用の受注、配車、経理、帳票ベースシステムをすでに構築済み。
・SQLサーバを採用し、DBライセンス料金を節約(オラクルは使用しません)
・通信コア部分や、一部内部処理は高性能なC言語を使用しソフトVPNを実現。
・カスタマイズ部分に関しては画面構築が簡単になるようにVBドットネットを使用

つまり、汎用受注システムのような基礎の上に、見えている部分の画面を構築するため、メーカーが見積もるような工数より遙かにすくない工数で完成させられます。


もしかしたら、大手電機メーカーに調査依頼するだけくらいの費用で全部出来てしまうかもしれませんよ。

















2012年6月25日月曜日

多重打ちの落とし穴(問題提起編)

中小企業でOAを行う際に典型的に発生する問題があります。

こういう順番に物事が発生します。

●オフィスソフトを導入
エクセルなどの表計算を導入し、経理の計算や請求書を作成する。

●経理ソフト
市版の経理ソフトを導入し、月次の売り上げ計算や給与などの計算を行う。

これらは実は何もコンピューター化していない前は、手作業だったとします。そうすると手作業であった経理関連と売り上げの計算も手作業というわけで、このあたりが大幅に改善されるわけです。

ところがここにも落とし穴はあるのです。

確かに手書きで入れていた明細などはエクセルを使えば大変便利に印刷として打ち出すこともメールに添付して送付することも出来ます。

これらは機械化といっていっても


手書き => 入力


このようにペンの代わりにキーボードとなっただけで、実はあまり作業は減っていないのです。それは手書きよりキーのほうが一般的に速い速度で入力できますので、その分効率はあがります。

従って、請求のデータを入力するのはエクセル、そして売り上げ集計をおこなうのは、売り上げ専用の事務ソフトに再度入力と言う風に仕事が2重に入力することになります。件数が少ないうちは手書きに比べてキー入力は早いわけですから、たいした手間ではないと思うわけです。
 
ところが、前回までにご紹介したような事例、つまり、社業が伸びて、処理量が増えた場合突然困ることになります。


また2回くらいの入力なら良い方で、入力の前に値段表をみながら入力となると、さらに手間は増えます。

値段表=>受注の入力=>経理の入力

この上に、提携大手会社などが参入し、独自のシステムに入力をお願いされるなどの事態になるとこれはいままで少ない工程と思われた作業が激増します。

ポイントなのは、コンピューターの入力を行う作業ですが、会社だからお金を稼ぐ作業であると割り切っていたとしても、実際に入力を行う人は間接作業人員であって、本業の運輸ではないし、お金を実際獲得してくる営業でも無いのです。零細運輸の方々でしたら、家族がその入力を行っているかもしれません、そうすることで賃金を抑えられればいいですが、ある程度会社規模が大きくなり、入力専用人員を雇うとなると、間接人員1名だけでも、一年間の経費は大変な金額が支払われることになります。

PCは安いが、複数のPCソフトに多重打ち込みを行うために雇用を行うこと自体は問題がないのですが、本当にそのためだけにたくさんの人を雇うとなると、この間接人員の増加になり会社の経営を圧迫します。さらには運賃などの顧客への提示価格にも響いていくのです。

 PCのソフトが適切であるか重要な見直しを行わなければなりません。人を一名増やすということは会社にとって毎年連続で最低でも数百万円以上の新たな経費を生じされることですから。

次回この解決策を投稿します。


2012年6月24日日曜日

オフィスソフトウエアと専用ソフトウエア(2/2)

マイクロソフトオフィスのソフトを入れて、さあ仕事をしようということで開始しました。それでそれがすべての解決になるかというと

これがならないのです。

最初のうちは個人事業も小企業の最初もほぼ同じくらいです。お客さんという取引先も数社、かかってくる電話も一日数件、そんなところから開始でしょう。

もちろん、受注管理から仕事を完了し、請求書の発行まで見事にスムーズに行くと思います。当然ですが、オフィスにはビジネスレターの定型文や送り状の見本は山ほど入っていますから、これを利用することも出来るでしょう。

さらに請求書も、自社にあわせたデザインも発行することが出来ます。

そしたら、なにが不満か・・・・
なにが問題かといわれると

何もないのです。


見事にPCを使ったスタンドアローンといわれる、コンピューターシステムのできあがりです。


ところが

「社業がうまくいき、お客が数件だったのが数十を超え、作業先や届け先が100を越えた 」


こんなレベルは運輸会社に関わらず、小さな会社では必ず、踏んでいく轍だと思います。また越えなければ、会社として立ちゆきません。

ここで大きな問題が発生します。

PCを増やさなければ、対応がつかなくなります。人も増やそうPCも増やそうということでかりに10台を越えた場合どんなことが発生するか。


●本格データベースが無い
オフィスにはフルオプションで購入した場合、アクセスというデータベースが付属しています。顧客リストも数百くらいまでなら全く問題無く動作しますが、それを越えたとたんに速度が激減します。

●連携が無い
オフィス各ソフトは連携されている面もありますが、基本的にばらばらです。つまり受注をエクセルで入れて、ワードで送り状を作って、またエクセルで請求書を作ってのばらばら作業の繰り返しです。

● 複数マシン
さらにオフィスは基本的に数台以内の小さなオフィスで使用することを前提としていると思われます。つまり、数台以上の複数のPCが連携で複雑な作業をするようには出来ていません。

ここまで来たときにほとんどの人が気がつきます。あれ、このソフトって
以外と速度が遅い入力するのが複数箇所に同じことを入れなければならない。

効率化で導入したコンピュータが足を引っ張り始めます。世の中の標準でいうと送り状や請求書はエクセルで印刷されたものを送るのが正しく、当然のことながら印刷文書をつくるのが毎月のルーチンになってきます。

「これは仕方がないのでPCを使えるパートさんを入れよう」

当然のことながら、賃金の支払いはしなければなりません。社業が伸びているのだから当然のことだとだれもが思うし社長や役員も当然ということで人員を増やしにかかります。ところが、ここに大きな落とし穴があるのです。


仮にこのまま社業が伸びていったら、人を増やすだけで良いのだろうか。
実はPCを入れる前に比べ効率が落ちていないかということに初めて気がつき始める頃です。

つまり増収増益にならず増収減益に陥るのです。

市販のオフィスソフトウエアは個人には極めて有効なツールです。論文を書いたり、個人企業や個人営業の人が使うツールとしてはほぼ完璧でしょう。全ての道具がそろっていますから、大企業がつくるようなプレゼンも、見積もりも請求書も個人で発行することができます。

でもそれは個人向けであって、企業むけではないのです

 

2012年6月22日金曜日

オフィスソフトウエアと専用ソフトウエア(1/2)

中小運輸業に関わらず中小企業ではよく使われているPCソフトとしてオフィスがあります。

マイクロソフトが大々的に売り出しているソフトですから、安心ということもあり、普及しています。さてオフィスソフトが入るとなにができるか。


①エクセルによる計算表を簡単につくることができる。
 (経理の集計、給与計算、明細表、請求書)
②ワードにより送り状やビジネスレターが作れる。
 (案内状、契約書、送り状などの文書すべて)
③パワーポイントなどにより営業資料が作れる。
 (プレゼン資料、販売促進資料、説明書など)
④アクセスによる簡易データベースが使える。
 (従業員、車両、顧客住所、請求先などのマスターデータ)

このようなことが出来てしまうわけです。個人企業の方や、小さい数人の企業でしたら、たぶん全部これですんでしまうでしょう。

経理の計算、ビジネスレター、請求書発行、営業資料、顧客データ保存等、全部ができるようになります。

それじゃ、一般的に販売されている、高価な受注ビジネスソフトや、大手コンピューターメーカーがつくる会社の業務ソフトとなにが違う?

 ということになるわけです。


たとえば、大手電機メーカーにシステムをお願いした場合は、彼らはきちんとしたサーバを設置・保守から、専用のシステム構築までを全てオーダーメイドで作成してくれます。そして、場合によっては彼らの専用要員まで配置して、会社が独り立ちしてシステムの面倒を見れるまでサポートしてくれます。ところが、こういう大手電機メーカーにシステムを依頼すると、最低で数千万円以上で上限は何億円という様な値段がつきます。

でもやっていることといったら、先に話した、オフィスのやってることと大差は無いかもしれないのです。

じゃあ、オフィスを高いバージョンを買っても6万円から8万円くらい要するに、10万円に満たない価格と、5万円くらいのディスクトップPCそれにディスプレイとプリンター、あとインターネット回線を引けばスモールオフィスのできあがりです。

ここまで締めて20万円もあればおつりが来ます。

「ある会社はトータルな業務システムを作るのに2億円かかった。ところが同じ機能をもつものがたったの20万円だ。」

ということを経営者は気がつくのです。

これは逆説的ですが、正しい場合があります。じゃあ、大手電機メーカーなどいらん、全てマイクロソフトのオフィスですむじゃないかということになってしまいます。

そして、中小企業のオフィスソフトウエアの信仰が始まるのです。そして、中小企業どころか中企業にいたるまでこのオフィスは浸透しています。

ところが、ここに大きな落とし穴があるのです。


 続く



2012年6月21日木曜日

運輸・配送システム

株式会社ディジタル・ドリーム・ファクトリーの鈴木と申します。

弊社が、ここの2年間にわたり、運輸・配送システムを作った時に出会った困難や、システム化の落とし穴、また、システム化に対する問題点など、ご紹介するブログを作っていきます。

いま、中小運輸業界はまさに、競争化、安価な価格競争の波に飲み込まれていると思います。これを打ち破るため、PCを使いましょう。

運輸業界の方々は、せっかく安くなったハードの恩恵を受けることが少ないと思いますが、同じ中小企業である、弊社がご協力いたします。いまこの安いハードウエアとしてのPCや、携帯電話、そして爆発的に広がったインターネット、これらを使わない手はありません。

こうして広がった世界で、勝ち残るには、省力化が大事です。

PCなどの機械の良い点は人間のように疲れません、文句も言いません、電気さえ供給しておけば給料も払う必要もありません。24時間365日働かせても、労働問題にもなりません。

こんな便利なPCを使うために、弊社は協力していきたいと思っています。
このブログも、必ずや、中小運輸業種の方々にはお役にたてると思います。