2012年8月28日火曜日

インターネット越え通信

インターネット越えの通信・・・これは、比較的世の中では一般的になってきました。Virtual Private Network(バーチャル プライベート ネットワーク)というインターネット越えの通信技術を使います。ただし、これはいろいろな方法があります。

たとえば、NTTなどに直接お願いし、営業拠点の間の通信を専用に引いてもらうことは昔からできました。これを一般的には専用線と呼びます、これは、帯域幅も保証され、一般のものが外からハッキングや盗聴が出来ないため、非常に優れています。

ところが優れているものにはそれなりの対価がつきまといます。当然のことなのですが、毎月の使用量は莫大です。どのくらい高いかというと、近距離(都内とか)をかつてのモデムくらいのスピード64Kで結んでも固定で3万円程度、東京と大阪の間を6メガBPSで結ぶとなんと400万円/月という値段です。

送付するものが、きわめて機密で、且つ24時間待ったなしで、送付できないとまずいような用途で、支払う回線料金に見合う収益がえられるようなものや、それだけのお金をかけても、即時性と、機密性が要求されるような用途なら、この料金を支払って回線を引くのが良いという結論になります。

ところが、考えてもみてください。

世の中光インターネット回線があちこちに氾濫しています、WIFIなどの無線サービスでも先の紹介のような6メガBPSのような低速は使っていません。ADSLでさえ、12メガBPSや50メガBPSなどというサービスもあります。確かに電話局に十分近いところにオフィスがあればADSLでも悪くはありません。

それで、これらのサービスがどのくらいの価格か・・・・・

だいたいプロバイダーにもよると思いますが、サービスキャンペーンなどを入れると初年度は突き当たり1000~3000円くらいの有り得ないような低価格で、高速回線が手に入ります。


それでは、NTTの専用線はいったい何?という疑問が生じると思います。ここでまとめてみましょう。

●専用線のメリット
・即時性があり、常に使用占有が可能である。
・保証帯域幅より通信速度が低下することはない。
・機密性が高く、傍受はされない。

●専用線デメリット
・ひたすら高い・・・・



●一般インターネット回線のメリット
・ひたすら安価である!
・回線速度は専用線より速い場合が多い。


●一般インターネット回線のデメリット
・混雑具合により速度低下もありうる。
・100メガBPSなどの帯域幅は目安で、保証ではない。
・機密性は低く、場合により誰でも傍受可能である。


 このようにまさに対照的です。
 まさに、安物はデメリットが多い?・・・・・・ところがどっこい、回線速度はたとえば100メガが1/10しか使えない混雑に陥っても、専用線より速いです。そうしたらデメリットは速度ではなく機密性の保持ということに絞られます。

そこで弊社が考えついた結論は

ソフトウエア VPN

でした。 これはソフトウエアの暗号化により、拠点間をあたかも同一のLAN上に乗せるような働きをするものです。通常のサーバクライアントのパッケージというと、通信のことは考えません。通信は専用線か社内LANの中で実現すれば良いということになりますので、全くセールストークの中には出てこないのです。

また、アプリケーションビジネスを行っている、ほとんどのソフトウエアハウスが、通信に関しては自分の分野ではないと考えてるのも一因でしょう。いわいるインフラは自分の分野ではないと考える考え方です。

たしかに、大規模プロジェクトはその通りの考えでよく、ソフトを考える人間は、ネットワークは考えないのは当たり前になっていて、アプリの人間はあくまでアプリしか考えません。

ところが、運輸の我々のお客様はというと、中小企業のIT化です。

そんなところに、インフラはインフラで用意してもらう、我々はソフトだけで良い・・・などという考えが通じるでしょうか。それは無理です、実際にエクセルから脱却しようとあえいでいるお客様に、回線はお宅の範囲内なので、社内でまずは用意してください、などといっても、全くというか、意味すら通じないかもしれません。


私たちのシステムは、会社の各拠点がインターネット(出来れば光インターネット)でネットにつながっていれば、パッケージになったソフトウエアVPNを用意してありますので簡単に拠点間の通信ができるようになります。

拠点間のソフトウエアVPNの通信内容は、ほぼ現存する最高レベルの暗号化に保護されています。ソフトウエアで暗号、復号するので、ハードウエアで暗号、復号するよりやや遅くなりますが、今時のPCですとこの位の負荷は全くといって、重い部類には入りません。

弊社の運輸システムはVPNが用意されています。

これは

インターネット回線があれば、どことでも社内のように接続可能だと考えて良いことになり、WIFIでのリモート端末や、遠く離れた拠点間のサーバクライアントの通信などが一気に実現されてしまいます。











2012年8月3日金曜日

システムのコスト(その3)

中小企業が如何にして、業務システムをいれて、コスト削減を行うか、これは大きな課題です。

前回までに大手のシステムハウスや、電機メーカーがシステムを開発するときの手法をお話ししました。システムの開発はほとんどが人手によるもので、人間が現地の仕事を調査し、システム化の手法を考えているわけですから、まさにオーダーメイドです。


スーツのオーダーメイドは、高くつきますが、体にぴったりしていたり、生地が選べたりとメリットは大きいですが、布地をオーダーする物理的な値段(ハードウエア)と、仕立て職人が縫い上げる手間賃(ソフトウエア) が組み合わさり、スーツはできあがります。


最近スーツというのは、安いものが目立ちますね。

なにをコストダウンしたのでしょう・・・・・・これは、北朝鮮などに縫い子を雇い、ほとんどタダに近いような値段で、仕立て職人料金を飛ばしたからです。生地をそのもの売るようなものですね。そうすればオーダーメイドに近いものでも、少し時間はかかりますが、きわめて安価にスーツを供給できます。

他の方法はとしては

ぶら下がりと言われる、だいたいの標準体型の人にあわせたスーツを予めつくり、ズボンも裾上げだけを行うことでも安い値段を提供できます。


でも、このぶら下がりはあまりよくありません、ちょっと丈があわなかったり、着心地が悪かったり、見栄えも少しさえません。

やはりオーダーメイドにはかなわないのです。

システムでも同じような流行がはやっていて、スーツで言うところの寸法取りのところを日本人スタッフが行い、後全てを中国や印度に発注することにより、オーダーシステムを作成する会社がほとんどをしめるようになりました。

ところが、これはこれで問題が有ります。

スーツの場合はいったん完成して、お客さんが気に入り、持って帰ったあとに、ケアは全く必要がありません。汚れればクリーニングに出すし、ほつれれば、場合により修理にだすでしょうし、破棄するかもしれません、これははお客さん次第です。

ところが、システムはこうは行きません、コンピューターシステムは、使い勝手が悪ければすぐに変更されることが常識です。スーツなら、いったんできあがれば後から内ポケットを増設などあり得ませんが、システムの場合は不便ならポケットでもスリットでも追加してしまえるし、する必要も出てくることが多いです。

そのときに、オーダーしたところが海外であったりするとおいそれとは変更がきかなくなります。つまり小回りのきく対応は不可能です。やはり日本人が作ったシステムとはひと味もふた味も違うと言うことです。





そしてコストダウンを行うため、弊社が目指したのは、オーダーメイドのフルカスタムのシステムではなく、セミオーダーシステムです。それこそ服で言うと、すでに仮縫いまで済ませたような状態にしておき、これをお客さんの体に合わせて残りを仕上げるようにします。

こうすることにより、お客様のほうでは、ほぼフルカスタムでシステムをオーダーしたのと同じくらい
の品質で、値段は多分大手電機メーカーの最高見積もり価格(標準的な業務の場合)の1/5から1/10を実現出来ます。

また、ソフトウエアが単品で存在しても意味が薄れるので、通信技術により、有機的につなぐことも考えました。 (通信に関しては別に話をします)

(次回に続く)


2012年8月2日木曜日

システムのコスト(その2)

前回までに、システム会社が、どうやって、ソフトウエアの見積もりを行い着手していくかの話をしました。

結局のところ、最終的にはどれだけの人数で何ヶ月、つまり人数×月数の積算ということでソフトウエアの値段が算出されてきます。これで問題が無ければ、プロジェクトが進められるのですが、一般的にお客になっている御社側もコンピューターにある程度精通したエンジニアを用意するほうが物事が円滑になります。

こうして、数百人月(数億円)のシステムは構築されていきます。数百人月のものとなると1年くらいは最低期間で数年の場合もあります。できあがるシステムはまさに専用のもので業務はかなり改善されるようになります。

問題点も詳しく解析され、紙ではなく、そのシステム稼働以降は電子になるため、かなりの業務改善が図れるでしょう。
 
と、ここまでは、大手会社の業務をコンピューターシステム化した場合です。このように、大変な労力と費用をかけて大手の会社の業務は改善されていきます。


ところが、いまこのブログで話題にしているのは中小の運輸会社や中小企業の話をしているわけですが、実はこれらプロセスにはあまり大差がないのです。

やはり最初に解析があり、それに対して改善検討、コンピューター化したときの業務の流れなどを綿密に設計書に書き入れ、それを実現するわけです。

でもそうしたら、費用は大手の業務システムと作るのと変わらなくなってしまう・・・・・・これは事実です。ただ弊社が狙っているのは、こうした中小会社の場合は費用が捻出できない小さい会社の業務改善です。

こうした会社は結局のところマイクロソフトのエクセルなどに業務の内容を当て込んだ簡易システムで済ませている事が多いです。これですと、せいぜいワープロに近いものがあります。電卓で計算する必要はありませんが、手書きで請求書を書くの同じくらいにで手間がかかるものです。

 これを大手システム会社が行うのとあまり遜色がなく、費用はその大手会社の1/10位にしたい、これを両立することは極めてむずかしいように思えました。弊社次の工夫をすることにより、これらを解決してきました。


●システムひな形を作ることにより、基本検討などを時間を除く
●特別な伝表やスペシャルな請求書などをなるべく作らない
●ネット会議を多用した(移動時間や打ち合わせコストを減少)
●リモートによるメンテナンス
●サーバの冗長化も最小限にする
●オラクルなどの大規模データベースは使用しない。(MS SQLサーバを採用)

一番大きかったのは、人の移動を避けたことです。大手システムメーカはお客様との対話を重視しますから、それなりに顧客とのコミュニケーションは取れますが、そのたびに多数の人がお客様のところへ会議に出かけます。交通費、人件費はその時点から発生します。

弊社はこのコストを減らすため、全員がスカイプIDを持ち、夜間なども有機的に打ち合わせを行いました。全員がオフィスに居るわけではないのですが、気軽に打ち合わせができるようになったことは非常に大きな成果と思います。またコストも大変少なくすることが出来ました。

お客様との打ち合わせも同様です。

お客様側の担当社1名のため、システム会社の何人の人が毎回、移動していたのでは時間が足りません。お客様との打ち合わせは基本ネット電話で行うようにしました。

こうすることによりコストは激減したのです。


(次回へ続く)